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加藤委(つぶさ)の美

 侘び寂びに通ずる青白磁の美 
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日本の美学に「茶の湯」は欠かせません。
「不完全の美」を尊ぶ茶の湯にとって「完全美の象徴」である
青白磁は脇役に回ったのも当然だったのです。
しかし、
磁器土を白い土と捉える加藤 委の作品は、
フォルムや釉薬の色は勿論、
土の白さや肌に残る指の痕跡まで魅せているのです。
伊賀焼のように、亀裂をも魅せる、
作為を超えた「破格の美」、
「侘び寂びに通ずる青白磁」の誕生です。

 1. 加藤 委の作法 Katoh Tsubusa
 
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陶都多治見に生まれた加藤 委は、様々な陶技を模索し、
古窯発掘調査などを経て「白い土」(ニュージーランド)に出遭いました。
その土は彼の陶技をことごとく退けました。
粒子が細かく、流れる程コシの弱い白土は「型モノ」に適した性質だったのです。
加藤 委の葛藤の始まりでした。
周囲には伝統的なやきもので活躍する同世代も多く、
自分が目指した「やきものの道」への自信も揺らいだと言います。
しかし、彼は諦めませんでした。
土をねじ伏せるのではなく、土の性格と相談しながら、
指先に全神経を集中するようになったのです。
以後、その姿勢は全ての土に向けられる「加藤 委の作法」になりました。

 委(つぶさ)さんの作品はとっても素敵なんですよ       
                 
                         お茶碗を手に取り、滑らかな肌に触れてみて下さい。               
                     
                               ごめん 遊ばせ 雅茶子 037.gif
       
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by gachako1121 | 2013-09-10 19:42 | 石原美術企画展 | Trackback